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金井美恵子『金井美恵子全短編 Ⅰ』(日本文芸社、1992年)

もはや言うまでもないだろうが、私の最も敬愛する作家の全短編集。全短編といっても発売されてからもう20年以上たっているので全ての作品は網羅しきれてはいないのだけれども、時系列順に金井美恵子作品が読める貴重な全集。一巻はデビュー作から’73年までの…

深沢七郎『人間滅亡的人生案内』(河出書房新社、2016年)

タイトル通り、深沢七郎による人生相談。’67年から’69年までに『話の特集』という雑誌で連載されていたらしい。以前新潮社で出版されている『楢山節考』に収録された「月のアペニン山」が面白かったので購入。相談者は主に18から30までの若者たちで、深沢自…

吉田健一『本当のような話』(1994年、講談社文芸文庫)

はじめての吉田健一。茂の息子だということも初めて知った。気品薫る、シンプルに美しい小説である。すっごく読み辛いし、わけわからない代名詞を多用した文章もいくつもあるのだけれど、夢の中で螺旋階段をくるくると降りて行く感じが心地よかった。

金井美恵子・金井久美子『セリ・シャンブル3 金井美恵子・金井久美子の部屋』(旺文社、1985年)

金井美恵子・金井久美子姉妹に初めてお会いしたのは2年前のトークショー*1のことである。それまで、美恵子先生がジュンク堂で行った対談の動画は見たことがあったのだけれど、直接お会いするのは初めてで、とってもドキドキしたのを覚えている。今から思うと…

三島由紀夫『三島由紀夫のレター教室』(1991年、ちくま文庫)

前回のエントリーでふちゃふちゃ文句を言っていたにもかかわらず、続けて三島由紀夫を読む。「ふん、嫌な男!」というところから始まる恋心など乙女にとっては日常茶飯事ですのでお許しあそばせ。5人の登場人物により、様々な目的のためにしたためられた手紙…

三島由紀夫『サド侯爵夫人・わが友ヒットラー』(新潮文庫、1979年)

あまりにもイメージが鮮烈だったので、三島由紀夫を最後に読んだのが10年前だということにびっくりしてしまった。高校の課題図書で『金閣寺』を読んで、うわあ圧巻と思ったまま他の著書には手を出していなかったのだけれど、10年とは! そんなに経っていたな…

ピクニック、その他の短篇 (講談社文芸文庫) 金井美恵子

「『綺麗なことは綺麗だけれども、桃の木が一番美しく見えるのは、果実が熟してクリーム色の部分が赤く色づいて、それが小さな灯りのように木を飾る時なんです。黄金色の産毛に飾られた少女の膚のように、内側から輝いて見えるでしょう。触ると形而上学的な…

山尾悠子『角砂糖の日』(LIBRAIRIE6, 2016年)

2月も半ばながら今月はゴシック&オカルティック月間にしようと決めたので去年購入した山尾悠子の歌集を読むことに。山尾悠子はこれまで『ラピスラズリ』、『夢の遠近法』の二作を読了済み。

大岡信『自薦 大岡信詩集』(岩波文庫、2016年)

詩を読まない人でも名前だけは知っているであろう大御所大岡信の自薦詩集。これまでいくつかの詩と「折々のうた」などコンピレーション詩集は読んだことがあったけどまとめて読むのは初めて。

いとうかずこ著・金井久美子絵『ネコのしんのすけ』(人文書院、2002年)

「しんのすけが、あまりたびたびそこへ行くので、その場所は、いつのまにか、『しんのすけひろば』と、よばれるようになりました。なにしろ、しんのすけは、家にいないなと思うと、たいてい、ここにいましたから」(46頁) 「『しんのすけ、おまえが食べるもの…

イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』米川良夫訳(河出文庫、2003年)

「ただ売り買いをしにばかり、このエウフェミアにやって来るのではございません。夜、市場のまわりの焚火を囲んで、袋や樽の上に腰をかけたり、絨毯の山の上に横になったりしながら、だれかが言いだす言葉―――、『狼』とか、『妹』とか、『秘密の宝物』とか、…