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山尾悠子『角砂糖の日』(LIBRAIRIE6, 2016年)

 2月も半ばながら今月はゴシック&オカルティック月間にしようと決めたので去年購入した山尾悠子の歌集を読むことに。山尾悠子はこれまで『ラピスラズリ』、『夢の遠近法』の二作を読了済み。

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大岡信『自薦 大岡信詩集』(岩波文庫、2016年)

詩を読まない人でも名前だけは知っているであろう大御所大岡信の自薦詩集。これまでいくつかの詩と「折々のうた」などコンピレーション詩集は読んだことがあったけどまとめて読むのは初めて。

 

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いとうかずこ著・金井久美子絵『ネコのしんのすけ』(人文書院、2002年)

 「しんのすけが、あまりたびたびそこへ行くので、その場所は、いつのまにか、『しんのすけひろば』と、よばれるようになりました。なにしろ、しんのすけは、家にいないなと思うと、たいてい、ここにいましたから」(46頁)

 

「『しんのすけ、おまえが食べるものはなんにもなかったね。チーズを持ってこようか?』

 草太にそういわれても、しんのすけは大きな目をパッチンとやって、とてもゆったりと、そこで、くつろいでいました。その目は『いいの。いい気持ち』と言っているようでした」(101頁)

 

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イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』米川良夫訳(河出文庫、2003年)

「ただ売り買いをしにばかり、このエウフェミアにやって来るのではございません。夜、市場のまわりの焚火を囲んで、袋や樽の上に腰をかけたり、絨毯の山の上に横になったりしながら、だれかが言いだす言葉―――、『狼』とか、『妹』とか、『秘密の宝物』とか、『戦い』とか、『疥癬』とか、『恋人』とかというような―――その一言ごとに、他のものがそれぞれ自分の狼とか、妹とか、宝物とか、疥癬とか、恋人とか、戦争とかの話を物語るためでございます。それに、御承知のとおり、われわれを待ち受けている長い旅路で、駱駝や帆舟にゆられゆられてゆくあいだ、ずっと眠らずにいるために、おのが身の上の思い出話を一つ残らずつぎからつぎと思い出しておりますと、エウフェミアからの帰り道では、自分の狼が別の狼に、自分の妹が他人の妹に、自分の戦が違う戦になるのでございます。あの都市では冬至夏至春分秋分ごとに思い出を商うのでございます」(49~50頁、都市と交易1)。

 

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